2018年1月4日木曜日

【女の子の教育環境改善】ベースライン調査と終了時評価の報告

新年あけましておめでとうございます。
昨年は、ウガンダで新たなプロジェクトを開始するなど、Global Bridge NetworkGBN)にとって大きな動きのある1年でした。
皆さまのご支援に厚く感謝いたします。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、2018年最初の投稿は、「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業(ウガンダ共和国)」のベースライン調査と終了時評価の報告です。



ベースライン調査は、現状の課題を理解し、本プロジェクトをより効果的に実施するために調査を行ったものです。(20174月実施)

聖ジョセフ・チバリンガ初等学校での調査中の様子(ベースライン調査)

終了時評価では、プロジェクト実施後の効果を確認しています。また、今後の更なる事業展開に向けた提案もなされています。(201710月実施)
なぜこのプロジェクトが行われ、結果的にどうなったのか?ということが伝わるかと思います。お時間がありましたら、他活動レポートも併せて読んで頂けますと幸いです。

<ベースライン調査>
このベースライン調査では、生理が始まった女子生徒へのヒアリングも行うなどして、生理時における正しい衛生管理がなされていないこと、また教員・保護者等の理解、政府からの支援も不十分であることが明らかとなりました。


以下、一部レポート内容を抜粋します。
「学校の行政、教員、女性教員、生徒たちは生理用品が急務だと意見が一致している。また、生理時の必需品だけでなく、使用法などのトレーニング、洗面所などのインフラの整備、保護者・母親などを巻き込んだ再利用可能な生理用布ナプキンの作成などの取り組みは、この活動に賛同し、持続させるためにも必須である。」

より詳しい情報はこちら!
ベースライン調査の実施報告_20170403.pdf

<終了時評価>
「月経時の衛生管理」や「生理用布ナプキン作成」などのトレーニングを、女子生徒、男子生徒、教員、保護者を対象に行いました。その結果、「月経における衛生管理」のワークショップ後に見られた女子学生と保護者の変化で挙がった内容を一部ご紹介します。

 適切な月経に関する衛生管理を学び実施するようになった(31.3%)
 布ナプキンの作り方を学び、それを使えるようになった(37.5%)
 女子生徒は保護者や身近な大人に生理について話ができなかったが、トレーニングの後はオープンに話せるようになったと回答(6.3%)

また、男子生徒の態度も大きく変化し、プロジェクトによる啓発後は女子をからかわなくなりました。突然の生理がきて、経血が漏れている女子を見ると、他の女子にナプキンがないか聞いてあげたり、自分のセーターやジャケットを貸してあげたり、学校の女性教員に知らせてくれたりする姿も見られました。
生理中の学校出席率も向上し、95%の女子生徒は過去3か月間に生理で学校を休んでいないという結果が出ました。
ルワウナ初等学校でのディスカッション中の様子(終了時評価)

より詳しい情報はこちら!
MHM インパクト調査報告_2017.pdf

以上から、生理をめぐる女子生徒への教育環境が改善されたことが伝わるかと思います。
今後もこの事業を継続し、更に拡大していけるよう取り組みたいと思っております。
皆さまの変わらぬご支援を賜れますよう、宜しくお願い申し上げます。

そして、本年もGBNをよろしくお願い申し上げます。

2018年元日

Facebookはこちら
「いいね!」もお待ちしています!




2017年12月29日金曜日

【女の子の教育環境改善】ウガンダの現地視察のご報告

2017年も残りわずか皆さまお忙しくしていることと思います。
遅くなりましたが、今年の締めとして、8月にウガンダの事業地に訪問したときのご報告をさせて頂きます。
******





20178月、Global Bridge NetworkGBN)の大西がウガンダ共和国のムベンデ県で実施しているプロジェクト「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業(ウガンダ共和国)」の視察をしました!

◎今回は、生理用ナプキン作成トレーニングに参加した教員・生徒たちにインタビューをしました。!

1.プロジェクトの対象校であるチバリンガ初等学校(St. Josephs’ Kibalinga Primary Schoolにてトレーニングに参加した生徒たちに話を聞きました。




  
インタビュー①

:女子生徒1

私はトレーニングを受けたタイミングで初めて生理になりました。トレーニングを受けたおかげで、トレーニング中に作成した生理用ナプキンを使うことができ、さらにナプキンの使い方やきちんと洗って清潔に保つことを教わったおかげで、今は問題なく過ごすことができています。学校からも男子生徒に対して『女性なら誰もが経験することになる生理は自然の現象だから、からかってはいけない』と伝えてくれて、今では誰も生理になった女の子を笑わなくなりました。ただ、生理用ナプキンの作り方はわかったものの、自分たちで作成するための材料(布やミシンなど)がないこと、また学校で着替えの場所がないことが今の課題です。

また、インタビューをした女子生徒はしっかりとした目で、

私がトレーニングで教わったことは、他の生徒たちにも伝えていくことはできます。まずはもっと多くの女子にトレーニング受けてもらいたいけれど、男の子たちを巻き込むことも重要。彼らはこのトレーニングを受けることで、私たちの抱える生理についてもっと理解してくれるし、彼らも自分の姉妹や将来自分の子どもにもきちんと教えてあげることができるようになるから。」と、より多くの女子はもちろんのこと、男子生徒も一緒にトレーニングを受けて共に理解することの重要性を語っていました。




インタビュー②:男子生徒2

トレーニングを受講できたのは本当に良い経験になった。生理について、とても勉強になったし、これからは姉や妹が生理になったときに助けることができる。自分たちは女の子を笑いものにするのではなくて、守ってあげなければならないと自覚できた。それに、今は他の男子生徒にも、女性が誰もが経験する自然なことなんだ、と伝えている。

 生徒達の以上の証言から、トレーニングで作成した生理用ナプキンを正しく使っていること、学校でも積極的に男子生徒に生理になった女子生徒に対して理解するように指導していることが分かりました。しかし、生理用ナプキンの作成方法はわかりましたが、作成するための材料不足が課題とのことです。

◎余談ですが、写真(左から2番目)の男子生徒は、作成した生理用ナプキンをどうしたか聞くと、恥ずかしそうに「僕の彼女にプレゼントした」と答えてくれました!


2.ルワウナ初等校(Lwawuna Primary Schoolでは、学校の校長先生や女性教員にお話を聞くことができました。





インタビュー③:校長先生

今取り組もうとしているのは、保護者から少しだけお金を徴収して、保護者や生徒たちで生理用ナプキンを作成すること。そして、さらにそのナプキンを市場に売ることで収益を得て、継続していきたいと思っている。


インタビュー④:女性教員

男子生徒の態度について、

今まで生理になった女子生徒をからかっていた男の子たちが、笑うどころか、生理になったときにわざわざ『生理になった子がいるから助けてあげて』と伝えに来てくれた。今まではこんなことはなかった。

また、教員や学生たちの間でも以下の変化が見られたとのことです。

生理に関する衛生管理や性教育は非常に意義があった。トレーニングの後、みんな生理の問題についてオープンに話ができるようになった。アフリカの文化的にも、性について私たち教員もなかなか積極的に話ができなかったけれど、今はみんなでその問題について話せるようになった。

しかし、以下の課題を挙げてくれました。

トレーニングを通して知識は得た。問題は実行するための資金が学校にはない。

学校の教員たちのインタビューを通して、学校が自ら案を出して取り組んでいこうとする姿勢が見られ、また学校全体の生理に関する衛生管理、性教育のあと、学校の生徒たちの変化がみられたことは素晴らしいと思いました。しかし、今後、この取り組みを持続するための資金、また布ナプキン作成の材料の調達が課題であることが分かりました。


トレーニングの後、学校側でも下記のような掲示をつくり、生徒たちの意識の向上を図るようになりました。

STAY IN SCHOOL」=「学校に休まず通いましょう」
ATTEND LESSONS DAILY」=「毎日授業を受けましょう」





3ルワウナ初等校(Lwawuna Primary Schoolにて生理用ナプキン作成トレーニングに参加した生徒たちにも話を聞きました。




インタビュー⑤:女子生徒4名


布ナプキントレーニングで作成したナプキン

作成した布ナプキンを見せながら「トレーニングでは2つ作ったので、1つを学校で使い、帰宅してからもう1つのナプキンと取り換え、使用後のナプキンは洗って乾かしておけば、翌日にまた学校に行くのに使えるので、生理になっても欠席しなくなった。


また、学校側の取り組みについて「学校は私たちが着替えるための部屋を用意してくれたけど、他の女の子たちがとても汚く使っているし、校長先生の隣の部屋だから恥ずかしい。」と正直に答えてくれました。

 他の生徒たちにも、生理用ナプキンの正しい使い方、清潔にすることなどを教育していかなければならない、また学校側にもさらなる配慮が必要であるという課題はあるものの、学校側でも女の子に対してよい環境を与えようという意識が芽生えたことは素晴らしいと感じます。

あの男子たち、以前は私たちのこと笑いものにしてたと話す女の子

今ではやさしくなったねと女の子に言われ。。。

下を向いて恥ずかしがる男子生徒


◎その他に、女子生徒たちは、「あの男子生徒たち(写真に写っている)、以前は私たちの生理をからかっていたけれど、今では優しくなった、生理になったときにそれを隠すためにセーターを貸してくれた!」と教えてくれました。自分たちのことを言われた男の子たちはみんな下を向いて恥ずかしがっていましたが、この男の子たちにもインタビューしました。





インタビュー⑥:男子生徒3

トレーニングはとても良い経験だった。自分が作ったナプキンを双子の妹にプレゼントしました!

僕は、前は女の子が生理になると笑ったりからかったりしていたけれど、トレーニングを受けて、生理が女の子にとって自然な現象だとわかったから、今は絶対に笑ったりしない

他の男子生徒にも、生理になった女の子をからかうのはいけないことだと伝えている。

今回のインタビューを通して、教育(知識)がいかに大切なことかを実感しました。きちんとした知識を持てば、男子たちの態度も変わります。そして、生徒だけでなく、学校や保護者みんなで、女子の生理について真剣に考える機会となり、少しずつでも変化がみられたことはプロジェクトを実施する立場としては非常に嬉しく思います。

最後にみんなでパチリ


今後は彼らが中心となって他の生徒たちに伝えていこう、と一致団結しました!


4.今後について

今後は、少し材料を提供すること、そして自分たち自らナプキンを作り、生理に関する正しい知識、生理における衛生管理をしっかりすること、そして学校を休まず通える環境を整えるよう、学校や保護者、生徒同士でお互いにサポートしていく態勢を作っていくことが今後のこのプロジェクトを継続してくために重要だと感じました。


長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます!!
2018年も皆さまにとって良い年になりますように!


*このプログラムは、株式会社ラッシュジャパン様からの助成により運営しております。





*GBNのFacebookページ*



2017年12月12日火曜日

【女の子の教育環境改善】月経時の衛生管理と性教育セッションのご報告


こんにちは、Global Bridge Networkです!



今更になりますが、4から5月にかけてウガンダの各対象校3校で実施した「月経時の衛生管理」と「性教育」のセッションついてご報告させて頂きます。


ウガンダのムベンデ県にある初等学校3校にて、月経時の衛生管理と性教育のセッションを実施しました。女子生徒だけでなく、男子生徒含む合計701名(男子305名・女子396名)が参加しました。


今回は、より多くの生徒を対象に「月経時の衛生管理」と「性教育」のセッションを行いました。「月経時の衛生管理」では、前回布ナプキン作成トレーニングを行いましたが、そのナプキンの使い方を含む生理時の衛生的な対処対法などの実践的なことから、月経の周期などの基本的な知識、また「性教育」では男女における性差の特徴から性暴力の対処法などについて伝えました。


今回も男子生徒を積極的に参加させたのは、生理や性暴力における問題は女子だけの問題ではない、ということを理解してもらうためです。また、特に性暴力に関しては、男子生徒が当事者にならないだけでなく、どうやって女子を守るか、という自分たちの役割と責任について自覚することも目的としています。


積極的に意見を述べる生徒達  

ファシリテーターの 説明に聞き入る子供たち 


セッションに参加した生徒からは、このような声があがりました。


男子生徒:
生理は女子だけの問題だと思っていたが、トレーニングを通じて自分も何か助けになれるということが分わかりました!」

女子生徒:
「トレーニングはとても興味深かった。自分や友人が性的暴行にあった際にどう 対応すればいいのか理解できました!」



以下は活動レポートです





*このプログラムは、株式会社ラッシュジャパン様からの助成により運営しております。






*GBNのFacebookページ*



2017年11月24日金曜日

【女の子の教育環境改善】‘ジェンダー啓発’のセッションのご報告

こんにちは、Global Bridge Networkです!


 今回はウガンダの学校で実施した「ジェンダー啓発」のセッションをご報告します☆


4月~5月にかけてウガンダのムベンデ県にある対象校3校で、学校の生徒・教員を対象に上記のセッションを行いました!



なぜ、ジェンダー啓発を行ったか・・・・


それは、ウガンダでは、まだまだ女性の地位が低く、そのため女子の教育を重要視していない傾向があります。学校の教員たちも、男女平等という考えが浸透しておらず、女性の権利が脅かされることが多々あります。


まだまだ女性の立場は弱く、女性は日常的に暴力を受け、発言権・決定権さえないこともあります。多くの女性が自分たちの権利を知らないまま、危険な目に遭うことがあってもどのように対処していいのか知らないこともあります。


そこで、男子生徒や学校の教員を含めてジェンダーについて理解してもらうことで、生理になった女子を男子生徒がからかうことなく、また学校側も女子生徒の教育をサポートするよう啓発すること、そして女子生徒も自身の権利を理解しながら、身の危険などがあったときにどのように対処するのか、ということを理解してもらうことが目的でした。




積極的にジェンダートレーニングに参加する男女の生徒

ジェンダーバランス(男女平等)について掲げられたメッセージ



このセッションを行ったことで挙がった声を一部ご紹介します。


・男女のジェンダーによる役割や責任の違いを理解できました!


・<教師>学校の教育においてジェンダー平等を促進する役割と責任があることを実感しました!



こちらのレポートです ↓↓↓



*このプログラムは、株式会社ラッシュジャパン様からの助成により運営しております。






*GBNのFacebookページ*